マイナンバー制度の罰則~個人情報保護委員会関連

最終更新日時:2016年(平成28年)8月10日

 マイナンバー制度はプライバシーなど個人の権利が侵害されてしまう危険性をはらんだものでもあります。そのため安全確保のため国の第三者機関である個人情報保護委員会に、制度を監視・監督し、必要に応じて改善命令や立ち入り検査を行う権限が与えられています。このページでは個人情報保護委員会の改善命令や立ち入り検査の実効性を担保するための罰則規定を見ていきましょう。

個人情報保護委員会からの命令無視

■第五十三条…第三十四条第二項又は第三項の規定による命令に違反した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

・「第三十四条第二項又は第三項の規定による命令」と言うのは個人情報保護委員会に認められた職権の一つで、個人情報保護委員会は事業者などの法令違反が発覚した場合に改善を促すための「勧告」を行い、改善がない場合に違反行為の中止、是正を求める「命令」を行います。これが34条2項の「命令」で、第3項は「緊急命令」といい、個人の重大な権利利益を害する事実があるために緊急に措置を取る必要があるときに認められる、「勧告」を経ることなく発せられる「命令」です。本条はその命令」ですら改善がなかった場合の罰則規定になっています。

・「命令に違反した」というのは、個人情報保護委員会の命令措置は期限を定めて出されるもので、当該期間を経過しても命令が遵守されていない場合に「命令に違反した」状態になります。また、期間を経過していなくとも、命令に従わない意思を委員会に通告したり、公に宣言したりするとその時点で命令違反として罰則の対象になります。

・法定刑としては2年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。個人情報保護法の命令違反による罰則規定は6月以下の懲役又は30万円以下の罰金となっており、厳しい罰則規定になっています。

 簡単にまとめるとマイナンバー関連で不手際があり、個人情報保護委員会から怒られているのに無視し続けると罰せられるという規定です。

個人情報保護委員会からの検査忌避

■第五十四条…第三十五条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

・「第三十五条第一項の規定」というのは個人情報保護委員会に認められた権限に関する条文になっており、特定個人情報(マイナンバー)の取り扱いに関しての報告や資料の要求、立ち入り検査や質問、帳簿書類などの検査が出来ると規定されています。

 本条は上記の個人情報保護委員会に認められている権限に対応しており、報告や資料の提出をしなかったり、あるいは嘘の報告や嘘の資料を提出したり、委員会職員の質問に対して答弁をしなかったり、嘘の答弁をしたり、立ち入り検査の拒絶をしたり邪魔をしたりすると適用される規定になっています。

・法定刑としては1年以下の懲役又は50万円以下のとなっており、個人情報保護法では30万以下の罰金刑となっているためこちらよりも重い量刑になっています。

 簡単にまとめるとマイナンバーの取扱い等で疑惑がもたれているため調査しようとしている個人情報保護委員会に非協力的だったり邪魔したりすると罰せられるという罰則規定です。