利用目的の範囲内か否か

最終更新日時:2016年(平成28年)9月18日

■マイナンバー収集段階での注意事項~利用目的の特定・明示でも記載しましたが、マイナンバーは法律や条令などで認められている場合を除き利用することが出来ず、収集する際にも○○のために利用する、と利用目的を具体的に特定する必要があります。そしてマイナンバー法ではたとえ本人の了解を得たとしても目的外での利用を原則禁止することでこれを保護しています。もし、目的外での利用が必要になった場合は新たに利用目的を特定し再度本人からマイナンバーを収集するか、あるいは利用目的の変更の手続きが必要になってきます。本ページでは様々な状況を例示し、利用目的の範囲内かどうかの紹介をしたいと思います。

利用目的の範囲内として認められる場合

・源泉徴収票の作成事務に翌年以降も反復して利用する場合
 給与所得の源泉徴収票作成事務のために提供を受けたマイナンバーに関しては、同一の雇用契約に基づいて発生する翌年以降の源泉徴収票作成事務のために利用することは問題ありません。

・退職者が再雇用された場合
 以前の雇用契約の際に給与所得の源泉徴収票作成事務のために提供を受けたマイナンバーを、いったん退職し再雇用された後の給与所得の源泉徴収票作成事務のために利用することは問題ありません。

・講師との間で講演契約を再度締結した場合
 以前の講演契約の際に講演料の支払いに伴う支払調書の作成事務のために提供を受けたマイナンバーを、再度講演を依頼した際の講演料の支払いに伴う支払調書の作成事務に利用することは問題ありません。

・不動産の賃貸借契約を追加した場合
 以前の賃貸借契約を締結した際に支払調書の作成事務のために提供を受けたマイナンバーについて、後に同じ賃貸人と追加で契約した賃貸借契約の支払調書の作成事務のために利用することは問題ありません。

・「源泉徴収票作成事務」と利用目的を特定して収集したマイナンバーを給与支払報告書や退職所得の特別徴収票に利用する場合
 給与支払報告書や退職所得の特別徴収票は源泉徴収票と共に統一的な書式で作成されることになるため「源泉徴収票作成事務」に含まれます。

・扶養控除等(異動)申告書に記載されているマイナンバーを源泉徴収票作成事務に利用する場合
 扶養控除等(異動)申告書に記載されたマイナンバーを取得するに当たり、源泉徴収票作成事務がその利用目的として含まれていると解されるため、そのまま源泉徴収票作成事務に利用しても問題はありません。

目的外利用になってしまう場合

・給与所得の源泉徴収票作成事務のためとのみ利用目的を特定して収集したマイナンバーを厚生年金や健康保険の加入等の事務に利用する場合。
 目的外の利用になってしまうため再取得、もしくは利用目的の変更手続きと本人への通知を行う必要があります。

予想される全ての事務を利用目的として特定する

 上記のような利用目的の変更手続きを取る手間を省くために、企業はあらかじめマイナンバー取得の際に予想される複数の事務を全て特定しておくことが一般的です。このように包括的な特定方法が利用目的の「特定」として適切といえるかと疑問が浮かびそうですが、従業員との間で発生が予想される事務であれば全てを利用目的として特定しても問題はありません。