マイナンバー利用に関する制限

最終更新日時:2016年(平成28年)9月18日

 マイナンバーは本来「行政の効率化」「公平・公正な社会の実現」「国民の利便性の向上」を主目的として利用が開始されました。将来的にはより広範囲にわたり民間や行政分野で利活用されることが期待されているため、マイナンバーと紐付いた様々な個人情報の漏えいを危惧し、利用範囲を「税」「社会保障」「災害対策」に限定し、その範囲内でのみ利用を可能としています。本ページではマイナンバーの利用に関する制限と注意事項について見ていきたいと思います。

マイナンバーが利用可能な4つのパターン

 マイナンバーの利用の制限は主にマイナンバー法9条により制限が掛けられており、大きく分けて以下の4パターンで利用が可能になっています。

①個人番号利用事務
②個人番号関係事務
③マイナンバー法19条11号から14号までに該当する場合
④その他。激甚災害や人の生命等の保護に必要な場合

 ①の個人番号利用事務と言うのは主に行政機関の職員がマイナンバーを処理する事務ですので、民間企業にはおおよそ関係が無いものになっています。③のマイナンバー法19条11号から14号と言うのも個人情報委員会や裁判所の訴訟手続き、刑事事件の捜査や会計検査院の検査などこちらも民間企業には関わりの無いものになっています。④は例外的に認められる目的外利用の事務に該当するもので、災害時に金融機関の支払い業務に利用したり、事故などで本人が意識不明の際に本人を特定するためなどに利用することを可能にしています。

 ②の個人番号関係事務というのが源泉徴収票の作成事務や各種保険の資格取得(喪失)届の作成事務など、民間企業で注意しなければいけないものになっています。

個人番号の主な利用範囲 ⇒社会保障、税、災害対策分野等の事務で利用
社会保障分野年金分野 ⇒年金の資格取得・確認、給付を受ける際に利用。
・国民年金法、厚生年金保険法による年金である給付の支給に関する事務
・国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法による年金である給付の支給に関する事務
・確定給付企業年金法、確定拠出年金法による給付の支給に関する事務
・独立行政法人農業者年金基金法による農業者年金事業の給付の支給に関する事務
労働分野⇒雇用保険等の資格取得・確認、給付を受ける際に利用。ハローワーク等の事務等に利用。
・雇用保険法による失業等給付の支給、雇用安定事業、能力開発事業の実施に関する事務
・労働者災害補償保険法による保険給付の支給、社会復帰促進等事業の実施に関する事務
福祉・医療・その他分野⇒医療保険等の保険料徴収等の医療保険者における手続、福祉分野の給付、生活保護の実施等 低所得者対策の事務等に利用。
・児童扶養手当法による児童扶養手当の支給に関する事務
・母子及び寡婦福祉法による資金の貸付け、母子家庭自立支援給付金の支給に関する事務
・障害者総合支援法による自立支援給付の支給に関する事務
・特別児童扶養手当法による特別児童扶養手当等の支給に関する事務
・生活保護法による保護の決定、実施に関する事務
・介護保険法による保険給付の支給、保険料の徴収に関する事務
・健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律による保険給付の支給、保険料の徴収に関する事務
・独立行政法人日本学生支援機構法による学資の貸与に関する事務
・公営住宅法による公営住宅、改良住宅の管理に関する事務
税分野⇒国民が税務当局に提出する確定申告書、届出書、調書等に記載。当局の内部事務等に利用。
災害対策分野⇒被災者生活再建支援金の支給に関する事務等に利用。
上記の他、社会保障、地方税、防災に関する事務その他これらに類する事務であって地方公共団体が条例で定める事務に利用。

企業が注意すべきは個人番号関係事務

上記の4つのパターンにおいて民間企業が関わるものは②の個人番号関係事務くらいであり、税や社会保障に関する手続き書類に従業員や顧客のマイナンバーを記載して、税務署などの行政機関に提出する事務などがこちらに該当します。

こうした法律や条令で認められた場合を除きマイナンバーを利用することは出来ないため注意が必要です。例えばマイナンバーを社員番号や顧客管理番号として利用し、従業員や顧客の管理に利用すると言ったことは認められていません。