「利用」と「提供」の違い

最終更新日時:2016年(平成28年)10月1日

 企業においてマイナンバー関連の事務を処理するにあたって「利用」と「提供」という良く似通ったふたつの言葉に遭遇することが多々あると思います。どちらも自分以外の者にマイナンバーが移動することにかわりはありませんが明確な違いがあり、それぞれ法による制限内容なども変わってくるため注意が必要なものになっています。このページではこのふたつの用語について詳しく見ていきたいと思います。

『提供』の定義

 「提供」とは「法的な人格を超えた特定個人情報の移動」と定義されています。「特定個人情報」というのはマイナンバーをその内容に含む個人情報のことですので、この場ではマイナンバーと思っていただいて構いません。そして「法的な人格」と言うのは個人(生身の人間)と法人(法的に生身の人間と同じものとして扱われるもの。例えば企業)のことを指します。つまり、他人であれ行政機関であれ他の企業であれ、自分とは別のところにマイナンバーが移動することを「提供」と呼びます。勤め先に対してマイナンバーを教える行為や、行政サービスを受ける際等に書面にマイナンバーを記載して提出する行為などは「提供」に該当します。同じグループ企業であっても別の事業所に対してマイナンバーを移動(教える)させる行為も「提供」です。そしてこれらはマイナンバー法19条により厳しい制限がかけられています(提供の制限)。またマイナンバー法では不正な提供に対して厳しい処罰規定が設けられているため注意が必要です。

『利用』の定義

 「利用」とは「提供」の逆で「法的な人格を超えない特定個人情報の移動」になります。例えば企業内の営業部に所属する者のマイナンバーを源泉徴収票の作成のため経理部に移す行為などが「利用」に該当します。こちらはマイナンバー法の9条(利用範囲)や個人情報保護法の15条(利用目的の特定)などにより制限がかけられています。

まとめ

 結論として

「提供」は「法的な人格を超えた特定個人情報の移動」
「利用」は「法的な人格を超えない特定個人情報の移動」

となります。それぞれ制限の範囲や罰則などの差異があるため注意が必要です。ただ、「利用」に該当する場合と言うのは同一企業内の部署間での移動など限られているため、そのマイナンバー(が記録されている媒体)がどこに帰属していて、どこに移動するかを考えると分かり易いかと思います。