マイナンバー収集段階での注意事項~利用目的の特定・明示

最終更新日時:2016年(平成28年)4月3日

企業におけるマイナンバーの収集段階での注意事項は以下の3つがあります。

  1. 個人番号関係事務を処理する必要がある時のみ収集可能
  2. 利用目的の特定・明示をすること(例外あり)
  3. 本人確認(番号確認・身元確認)をすること。

マイナンバーを収集出来る条件を満たしているか?

 ①は必要も無いのに収集することが出来ない、と言うマイナンバー法14条の規定になります。こちらは、簡単に言ってしまうと源泉徴収票の作成事務などの、マイナンバーを記載する必要のある個人番号関係事務が確実に発生する場合以外はマイナンバーの収集をしてはいけない、と言うことです。企業側から見ると、雇用関係があれば給与の源泉徴収事務や、健康保険・厚生年金保険届出事務といった個人番号関係事務は、ほぼ確実に発生しますのでこの条件は満たしているはずです。

 また、こちらは個人番号関係事務の発生が予想できる時点で収集が可能と解されていますので、直前にならなくとも収集が出来ます。以下にその具体例を記載します。

利用目的の特定

 ②の利用目的の特定・明示というのは、マイナンバーを利用する際には源泉徴収票の作成事務など「○○に利用する」、とあらかじめ目的をはっきりと特定させておく必要がある、と言うことです。その上で、本人から直接マイナンバーを収集する際には、きちんとその利用目的を明示することが原則です。また、マイナンバーは特定した利用目的の範囲内でしか利用が出来ず、その利用目的の範囲を超えて利用する場合には、再度本人から収集し直すか、利用目的の変更の手続きを行う必要があります。ちなみに、利用目的の特定は、具体的である必要があり「我が社の事業活動のため」と言ったような具体性を欠いたものでは不十分と解されています。

■利用目的の変更
マイナンバーの利用目的は収集後に変更することが出来ます。ただし、利用目的の変更は、変更前の「利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲」内におさめなければいけません。「合理的」と言うのは社会通念上、妥当な範囲内にという意味です。また、利用目的の変更をした場合は本人に通知、又は公表する必要があります。

利用目的の明示

 特定した利用目的は本人に対して明示する必要があります。「明示」は明確に示すことで、要は本人にきちんと伝わればOKです。こちらは本人から直接収集する場合と、それ以外の収集によって場合分けされます。

■本人から直接収集する場合
 本人から直接収集する場合は、あらかじめ本人に対してその利用目的を明示しなければならないのが原則です。

■直接収集以外の場合
 扶養控除等(異動)申告書の届出事務のために従業員の扶養親族のマイナンバーを収集する場合などが該当します。本人(扶養親族)から直接ではなく、従業員から間接的に収集することが主になるかと思いますが、こちらはあらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに利用目的を本人に通知、もしくは公表しなければなりません。「通知」方法としては、本人に口頭で伝えるだけでも足りますし、他には書面での提示、本人が普段利用しているEメールへの送信なども考えられます。「公表」方法としては、Webページのわかりやすい場所への掲載などがあります。

上記の利用目的の特定・明示の規定はマイナンバー法による規定ではなく、個人情報保護法による規定です。

 個人情報保護法はコチラでも解説しましたが、個人情報取扱事業者のみ適用されるものですので、それ以外の中小規模の事業者には適用されないものになります。しかし、そのような事業者もマイナンバー法の他の規定により、マイナンバーを取り扱う上で、どの事務を処理するためにマイナンバーを利用するのかを決める必要があるため、事実上利用目的の特定を行う必要があります。
※個人情報取扱事業者に該当しない中小規模事業者は利用目的の明示は必要無し(個人情報保護委員会HP Q&A1-9)

 なお、2015年9月に改正された個人情報保護法により、個人情報取扱事業者の定義が変更され、ほぼ全ての民間事業者が個人情報取扱事業者となります。施行は改正法の交付の日から最大で2年ですので、それまでの間は猶予期間として個人情報保護法の適用は受けずに済みます。