提供の制限~例外の8類型 前編

最終更新日時:2016年(平成28年)10月1日

 マイナンバーの提供はマイナンバー法19条にて原則禁止とされています。そして19条各号にて制限の例外として提供を許可する場合を限定列挙しています。今ページと次ページで特に民間でも関わりの深い1号・2号・3号・5号・7号・11号・12号・13号について具体例をまじえつつ詳しく解説していきます。なお、個人番号利用事務実務者と個人番号関係事務実務者と言うのは共にマイナンバー関連の仕事をする人のことですが、『利用』事務のほうは主に行政、『関係』事務のほうは主に民間を指す言葉になります。

マイナンバー関連の事務処理上、提供が発生する場合

一 個人番号利用事務実施者が個人番号利用事務を処理するために必要な限度で本人若しくはその代理人又は個人番号関係事務実施者に対し特定個人情報を提供するとき(略)。

 1号は行政がマイナンバー関連の事務を処理する上で、本人やその勤務先にマイナンバーを提供する場合を想定したものです。行政から民間への提供に分類されます。

(具体例)
・住民税の特別徴収(住民から徴収する税金を、給与の支払いを行っている企業側に代わりに徴収させて納入させる制度。いわゆる天引き)のため、市区町村が企業に対して従業員の税額を通知する書類にマイナンバーを記載する場合。
・介護保険料の特別徴収のために、市区町村が企業に対して従業員の特別徴収税額を通知する書面にマイナンバーを記載する場合。
・日本年金機構などの年金保険者(運営団体)が、本人からの問い合わせに応じて年金の納付状況について回答する際の書面に本人のマイナンバーを記載する場合。※日本年金機構は2015年6月に発覚した情報漏えい事故の影響でマイナンバーの提供が出来るようになる時期が最大で2017年11月30日まで延期になりました。


二 個人番号関係事務実施者が個人番号関係事務を処理するために必要な限度で特定個人情報を提供するとき(第十号に規定する場合を除く。)。

 2号は企業等がマイナンバー関連の事務を処理する上で他所にマイナンバーを提供する場合を想定したものです。民間から民間、又は民間から行政への提供に分類されます。

(具体例)
・企業が従業員のマイナンバーを記載した厚生年金被保険者資格取得届を年金事務所に提出する場合
・企業が従業員のマイナンバーを記載した源泉徴収票を2通作成し、税務署と本人に交付する場合。所得税法により税務署用・本人交付用とも企業に交付義務があり、税務署提出用についてはマイナンバーを記載するものとされています。その結果、企業は税務署に従業員のマイナンバーを提供することになります。
・株式配当を受けた者のマイナンバーを記載した支払調書を税務署に、支払通知書を本人に交付する場合。所得税法により支払調書・支払通知書とも企業に交付義務があり、支払調書には株主のマイナンバーを記載するものとされています。その結果、企業は税務署に株主のマイナンバーを提供することになります。
・従業員が扶養親族のマイナンバーを記載した扶養控除等(異動)申告書を企業に提出する場合。所得税法により従業員に提出義務があるため、この場合は従業員が個人番号関係事務実務者となり扶養親族のマイナンバーを企業に提供することになります。ちなみにこのケースの場合は、企業が扶養親族の本人確認をする必要はありません。詳しくはコチラ

行政サービスの申請書等にマイナンバーを記載する場合

三 本人又はその代理人が個人番号利用事務等実施者に対し、当該本人の個人番号を含む特定個人情報を提供するとき。

 3号は市民が行政サービスの申請書などに自分のマイナンバーを記載して提出する場合などを想定したものです。こちらは民間から行政、又は民間から民間への提供に分類されます。ちなみに「個人番号利用事務『等』実施者」というのは個人番号利用事務実務者と個人番号関係事務実務者をあわせた言葉です。

(具体例)
・本人が、社会保障給付を受けるため自分のマイナンバーを記載した申請書を市区町村役場に提出する場合
・従業員が、源泉徴収票の作成や健康保険・厚生年金の資格取得(喪失)届の作成事務などのため勤め先企業に自分のマイナンバーを通知する場合
・従業員が、配偶者のマイナンバーを記載した国民年金第3号被保険者該当届を勤め先企業に提出する場合。なお、この場合は従業員が配偶者の代理人として配偶者のマイナンバーを提供するものになります。そのため企業には配偶者の本人確認を行う義務が発生するため注意が必要です。詳しくはコチラ

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