提供の制限~例外の8類型 後編

最終更新日時:2016年(平成28年)10月1日

 マイナンバーの提供はマイナンバー法19条により原則禁止とされていますが、19条各号に該当する場合のみ制限の例外として提供を認められています。各号のうち民間の立場で関わりのある号の詳細解説をしている前ページからの続きです。

委託・合併など必然的にマイナンバーの提供が伴う場合

五 特定個人情報の取扱いの全部若しくは一部の委託又は合併その他の事由による事業の承継に伴い特定個人情報を提供するとき。

 5号は企業の合併やマイナンバーが関わる業務の委託によるマイナンバーの移動を提供制限から除外するための規定です。行政から民間、または民間から民間へのマイナンバーの提供に分類されます。

(具体例)
・企業が源泉徴収票作成事務を含む給与関連の事務全般を子会社に委託するため、従業員のマイナンバーを含む給与情報を子会社に提供する場合
・A社がB社を吸収合併したため、吸収されるB社の従業員のマイナンバーを含む特定個人情報がA社に移動する場合

情報提供ネットワークシステムを介した提供の場合

七 情報照会者が情報提供者に対し特定個人情報の提供を求めた場合において、当該情報提供者が情報提供ネットワークシステムを使用して提供するとき(19条7号を大幅に要約しました)

 7号は情報提供ネットワークシステムによる情報連携を可能にするため制限から除外するための項目です。情報提供ネットワークシステムは当面は行政機関同士での利用のみの運用予定ですが、将来的には民間企業との情報連携が行われることが期待されているものになります(民間に開放されるのは2018年10月以降の予定)。

 不正な情報連携を防ぐため、特定個人情報の提供を求めることが出来る機関(情報照会者)、照会に応じて特定個人情報を提供が出来る機関(情報提供者)、特定個人情報を利用することが出来る事務、提供される特定個人情報がそれぞれマイナンバー法の別表第2にて、具体的に示されています。

個人情報保護委員会の提供の求めに応じる場合

十一 第三十八条第一項の規定により求められた特定個人情報を個人情報保護委員会に提供するとき。

 第38条1項の規定、というのは個人情報保護委員会に立ち入り検査や資料の提供を求める権限があることを規定した項目になっています。本号は個人情報保護委員会から資料の提供を求められた場合、その資料にマイナンバーが含まれていても提供制限の例外であるという旨を明記したものです。

公益上の必要がある場合

十二 各議院が行う審査若しくは調査、訴訟手続その他の裁判所における手続、裁判の執行、刑事事件の捜査、租税に関する法律の規定に基づく犯則事件の調査又は会計検査院の検査が行われるとき、その他政令で定める公益上の必要があるとき。(一部略)

 12号は条文に具体的なケースが列挙されていますが、まとめてしまうと公益上の必要があるときにおいて調査対象の資料にマイナンバーが含まれていることが想定されるため、本号において提供制限から除外する規定になっています。『政令で定める公益上の必要があるとき』はマイナンバー法施行令26条に定められており、具体例としては地方議会が行う調査や、独占禁止法・金融商品取引法などの規定による犯則事件の調査、租税調査などがあります。

緊急事態等、不利益が生じにくい場合

十三 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合において、本人の同意があり、又は本人の同意を得ることが困難であるとき。

 13号は緊急事態におけるマイナンバーの提供を可能にするための項目です。特にマイナンバーを本人以外に提供することが明らかに本人の利益につながる場合などがこちらに該当します。

(具体例)
・事故で意識不明の重体の者を緊急で治療する必要があるため、マイナンバーで本人を特定する場合
・客がスーパーで個人番号カードを落としていったため、スーパーが遺失物として個人番号カードを届け出る場合