個人情報保護法(一般法)とマイナンバー法(特別法)

最終更新日時:2016年(平成28年)4月3日

 マイナンバーは特定個人情報と位置づけられる重要な個人情報です。となれば、当然マイナンバー法と個人情報保護法も深い関わり合いがあるものになります。

 このページでは、一般法たる個人情報保護法と、特別法たるマイナンバー法の関係について見ていきたいと思います。

一般法と特別法

 日本にはたくさんの法律がありますが、これらは一般法と特別法という2つに分類することが出来ます。一般法は適用範囲が広く、特別法は適用範囲が限定されるものです。一般法と特別法が抵触する場合は特別法が優先されます。つまり、一般法にも特別法にもどちらにも規定がある場合は特別法のほうが適用される、と言うことです。そして、特別法のほうに規定が無い場合は一般法が適用されます。

 マイナンバー法と個人情報保護法に当てはめると、個人情報保護法が一般法で、マイナンバー法が特別法に該当します。例えば個人情報の流出事件が発生した場合、そこにマイナンバーが含まれていれば個人情報保護法より厳しいマイナンバー法が適用され、マイナンバーが含まれていなければ個人情報保護法が適用される、と考えれば分かりやすいかと。

適用対象の違い

 法律は必ずしも全員が守らなければいけないものと決まったわけではありません。個人情報保護法や後述する「個人情報取扱事業者」が適用の対象で、それ以外の事業者は個人情報保護法を意識する必要がありませんでした。

 それに対してマイナンバー法は1件でも他人のマイナンバーを保有していれば適用されるため、ほぼ全ての事業者が対象になります。そのため、今まで個人情報取扱事業者ではなかった中小規模の事業者もマイナンバー法の施行により、マイナンバーを含む特定個人情報の保護のための措置を強いられることになりました。

個人情報取扱事業者

 個人情報保護法の適用対象となる個人情報取扱事業者とは何か?についても少し学んでいきましょう。個人情報取扱事業者とは、個人情報保護法において以下のように定義されています。

この法律において「個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。
一  国の機関
二  地方公共団体
三  独立行政法人等(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律 (平成十五年法律第五十九号)第二条第一項 に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)
四  地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項 に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)
五  その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者


 分かり辛い用語が出てきていますが、まず「個人情報データベース等」とは個人情報を検索し易いようにまとめたもののことです。パソコンによるデータベースはもとより、50音順にファイリングしたものなども含まれます。「事業の用に供している」とは、要は「仕事で利用している」という意味です。そして、一号から四号で行政機関等を除外しており(行政機関は行政機関向けの保護法があります)、五号で取り扱っている個人情報の量の少ない中小規模の事業所を排除しています。「政令で定める者」とは、取り扱っている個人情報の数の合計が過去6月以内のいずれの日においても5,000人を超えない者、のことを言います。

 まとめると、個人情報取扱事業者とは5,000人分以上の個人情報を検索し易いようにまとめたものを仕事で利用している民間事業者、と思って頂ければよろしいかと。

法改正による個人情報取扱事業者の定義変更

 2015年9月の個人情報保護法の改正により、上記の五号が削除されました。「5,000人を超えないもの~」の項目が削除されたため、事実上ほぼ全ての民間事業者が個人情報取扱事業者に該当することになります。マイナンバー法同様に規模の大小を問わず適用されることになります。

 ただ、法文上は同じでも解釈が変わってきますので、安全管理措置に関しては従業員の数が100人以下の中小規模事業者には特例措置が認められています。また、改正法の施行は公布の日から2年以内とされていますので、最大で2017年9月までは猶予期間がありますので、それまでに対応を済ませておけば問題ありません。