情報提供ネットワークシステムの概要

最終更新日時:2016年(平成28年)3月19日

 マイナンバー制度に基づいて、実際に行政機関同士で保有している個人情報をやりとりすることを情報連携と言います。この情報連携により、きめ細かな社会保障や、より正確な所得把握、より正確で迅速な行政がとり行えるようになると期待されています。

そして、この情報連携を行うための専用のシステムが情報提供ネットワークシステムです。

今回は情報提供ネットワークシステムの詳細を解説していきます。

情報連携の必要性

 今までは、行政サービスの申請を行うと、行政機関は添付書類として様々な必要書類を要求してきました。申請者がサービスを受けることが出来る条件を満たしているか確認をするため、添付書類に記載されている情報から精査する必要があるからです。

しかし、書面で情報をやり取りする場合ですと、申請者には各行政機関を回らなければならない労力が、そして行政機関にも書類に記載されている人物と申請者が本当に同一人物か確認する、いわゆる名寄せの作業による手間、さらに取り違えや転記ミスなどのリスクが発生してしまっていました。

例えば、生活保護の受給の申請をしようとした場合、申告書の他に

「同意書」・「収入申告書」・「資産申告書」・「給与証明書」・「地代・家賃証明書」・「扶養義務者に関する届出書」

あたりが必要になってきます。なんとも面倒な話しです。


 そこで、わざわざ申請者に書類をかき集めてもらわず、行政機関同士で情報を融通し合おうというのがマイナンバー制度における、「国民の利便性の向上」や「行政の効率化」の根幹になる情報連携なのです。

情報提供ネットワークシステムによる情報連携の流れ

 各行政機関が情報連携すると言うことは、一元管理への不安や、情報漏えいのリスクが危惧されてしまいます。そこで堅牢なシステムと厳格なルールのもとに運用する情報提供ネットワークシステムを構築しました。

情報提供ネットワークシステムを介した情報連携の手順は以下の通りになります。

①情報提供の求め(情報照会)
②チェックⅠ:特定個人情報保護評価
③チェックⅡ:提供制限の範囲
④情報提供
⑤情報提供等の記録の保存(要はログ)

ひとつひとつ順を追って見ていきます。

■ ①情報提供の求め(情報の照会)

これは、他の行政機関に対して

「マイナンバー○○番の人の情報教えて」

と依頼することです。当たり前ですが、ここからスタートです。

※厳密に言うとマイナンバーは直接用いられません。

情報連携は簡単には行えない

■ ②チェックⅠ:特定個人情報保護評価

 特定個人情報保護評価とはマイナンバーを取り扱う事業所が情報漏えいのリスクや危険性を分析し、そのリスクに対して十分で適切な保護措置を取れているかを評価するものです。

情報提供ネットワークシステムを利用する場合は、この特定個人情報保護評価を実施していることが利用の条件になっています。


■ ③チェックⅡ:利用制限の範囲

 マイナンバーは様々な個人情報と紐付くため、セキュリティの観点から様々なフェーズで規制や制限が掛かっています。この情報提供ネットワークシステムを通じた特定個人情報の提供にも制限があり、マイナンバー法19条7号により別表第2に列挙されています。

主なものとしては

などがあります。

 この、マイナンバー法19条7号に基づく情報照会であり、情報照会者、情報照会者が処理する事務等が別表第2に記載されているものに該当することが、情報提供を受けるもう一つの条件になっています。

②③のふたつのチェックをパスしないと、情報提供者側に情報提供の求めがあったことを通知しないことになっています。これは、情報提供ネットワークシステムにおける適切な情報連携を行うための規制です。


■ ④情報提供

 ②③のチェックをパスした情報提供の求めに対して、情報提供者は情報提供を行うことが義務付けられています。

※書類提出の見なし

 この情報提供が行われたことによって、行政サービスの申請者が必要書類を提出したものと見なされ、書類の提出義務から解放されます。政府の謳う「国民の利便性の向上」が実現する瞬間の一つです。

情報提供ネットワークシステムは必ずログが残る

■ ⑤情報提供等の記録の保存

 情報照会者と情報提供者は、情報提供ネットワークシステムを利用した記録を各々のコンピュータにログとして7年間保存することが義務付けられています。これは実際に情報提供が行われようと、チェックで弾かれようと必ず行われることになります。

記録される項目としては

 情報提供ネットワークシステムでは、暗号通信などを用いてはいますが、それでも不正な情報連携の可能性がゼロではありません。

そのため、誰と誰がどんな情報提供を行ったか記録を保存し、個人情報保護委員会やマイナポータルを用いて本人によるチェックが可能になっており、不正な情報連携への抑止力にもなっています。